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自然から学ぶこと

アラスカ写真家として活動していた
星野道夫の本をほんの数冊だけ読んだ。
彼は写真家。
にも関わらず彼の書く文章は
穏やかで、暖かくて、生き生きとしている。
もちろん彼の写真にも同じような雰囲気がある。
彼の感性を、
写真で表現するのか
文章で表現するのか
そのどちらもなのか
表現の媒体は違えど一貫した暖かな芯がある。
彼は間違いなく表現者だったのだと思う。

写真を見てはっとしたこと、
文章を読んでその世界の中にぐっと入り込んだことは
私自身にとって久しぶりの経験だった。

彼の文章と写真を知って、
影響を受けやすい私は(笑)
以前と比べて自然を見る感覚が少し変わったように思う。
季節の移り変わりを前よりは感じ取れるようになった。
その小さな変化は、
日々を穏やかに、暖かくしてくれた。

それは彼がアラスカの厳しい自然と向き合い、畏れ敬い、
その文化や人々と共に生き、愛していたからこそ
私たち受け取る側にその凄みと暖かさが同時に伝わってくるのだと思う。

花が綺麗だったり、
緑が生き生きしていたり、
夕日にうっとりしたり、
風が気持ち良かったり、
そういうことが幸せだと思う心の穏やかさは
きっと人生を豊かにしてくれる。

自然は感情の指針になることもある。
太陽はだんだん登って朝が来て、
ゆっくり沈んで夜が来る。
それは感情だって同じで、
これはいい悪い、好き嫌い、と
ぱっと切り替わることなんてできない。
白か黒かはグラデーションくらいが自然で、
実はそれが綺麗だったりもする。
太陽が照り過ぎても、雨が降り過ぎてもだめで、光と陰があってちょうどいいバランスが保たれる。

アラスカのように壮大とはいかなくとも、
自然の中に生まれて、生きていくんだから、
自然から学ぶことはきっと数え切れないくらいあるはず。
私はまだそれに気付き始めたばかりで、
きっとその時々でいろんなことを学ぶんだろう。
そもそも自分が自然の中で生きているということさえ意識してこなかった。
そんな当たり前のことさえ知らなかった。
彼の作品が、その気付きをくれた。

星野道夫の表現に出会えたことは、
きっと私の栄養になる。

26.May.18